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Posted by さぽろぐ運営事務局 at

2009年05月08日

やまぼうし


大きな青白い四辨(べん)の花
何の花か 知らなかった
闇にほのかに浮いていた
私が手折った一輪が
あなたの胸を明るくさせた

けれどもあとで後悔した
夜のうちに捨てればよかったと

それから 日を経るにしたがって
あの青白い燐光を放つ四辨が
次第にわたしの胸に炎え始め
臭覚に感じない香りに
むせかえるばかりの日々……

今は思い出の中に静かに
炎えている 四辨の燐光
植物図鑑にはたしか
山ぼうし と記されていた
  

Posted by 松田まゆみ at 15:47Comments(0)

2009年05月22日

おやすみ


氷った月夜に
礼を言って濡れた手拭いを返した私
貴女の友は湯浴みを終わり
感謝の帰途に着こうとします
新しい年の夜更けの月の光に
貴女の着物が漂います
友よ
新しい年の夜更けの湯浴みに
私の心は幸福を見出しました
私の幸福は苦悩の中にありました
それにしても
月に濡れた貴女は
何て美しいのでしょうか
それは貴女の心です
それは貴女の思想です
汚れた私の心は恥入り
私の思想は苦悶します
新しい年の夜更けの庭で
私は深い感謝を捧げます
誰にも迷惑をかけず
誰にもわずらわされず
限りなく苦しみ
限りなく愛することの幸福を
教えてくれた貴女に
新しい年の夜更けの月明かりに
門口まで送ってくれた貴女の
蒼い眼差し
白い微笑み
清き友よ
私の悲しき友愛を許されよ
東にきらめくオリオンに向かい
貴女の汚れた友は
それでも幸福な帰途に着きます
おやすみ
  

Posted by 松田まゆみ at 15:36Comments(0)

2009年05月29日

愛する人


混迷に孤坐して
生命の点滴に戦慄(せんりつ)する人よ
 そこに月影さし
  そこに月影さし

混迷の孤坐して
永遠の神秘を懐疑する人よ
 そこに月影さし
  そこに月影さし

生命の限りを
燃えて悔いなき
不可解
  

Posted by 松田まゆみ at 13:19Comments(0)