山の挽歌-松田白作品集- › 詩 › 愛
2009年03月13日
愛
何時の日が知らないうちに
心の奥の奥底から
ほんの少しずつ絶間なく
湧き出した泉です
冬は温かく夏は冷たいその水は
止めることとてできません
やがて心は透明な
泉の水で満たされます
心が苦しくなった時
それは夕日の湖に
そっと流してしまうのです
求めてはいけません
与えることもいけないのです
何故だか私は知りません
何故だか考えることでさえ
許されないと思うのです
楽しみもなく悲しまず
苦しみもなく喜ばず
心の奥の奥深く
愛していたいと思うのです
(1946年11月11日)
Posted by 松田まゆみ at 08:17│Comments(0)
│詩