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Posted by さぽろぐ運営事務局 at

2009年11月15日


私の両手の中で じっと動かない
湿った 柔らかな 生きもの
貴女の手

永遠に私のもので 永遠に私のものでない



霧は髪に流れ ゆるゆると瞳を流れ
モウモウと 暗い湖面をこめる

時は短く 沈黙は苦しく
別離は悲しいけれど

手よ・・・・・・ いつの日も
我が手の間に 生きてあれ
  

Posted by 松田まゆみ at 11:05Comments(0)

2009年11月21日

砂の音


貴女は 九十九里の砂の音を
憶えているだろうか

あるか無きかに サクサクと
貴女の踏んだ 砂の音を

夕闇の
浜木綿(はまゆう)のように
貴女は浮かび

あるか無きかに サクサクと
私の胸に 刻み残した
砂の音
  

Posted by 松田まゆみ at 15:40Comments(0)

2009年11月22日

雪原


「マミ 怖くはないね?」
雪深い 高原の夕闇を
いぶし銀の 霧の中を
あてもなく さまようことが

「マミ あの話をしてあげよう
北の涯(はて)の話を」

話しながら歩こう
このひざを埋める雪の中を・・・・・・

「マミ 北の涯の酒場で
行き逢った男女が
目隠しをした馬橇(うまぞり)に
乗ったという
あの話をしよう」

霧が谷から上ってくるね
マミ
手を空にかざしてごらん
霧には 細かい雪が
交じっている
たしかに 雪が交じっているね

「マミ 君の手は冷たい
びっくりする程 冷たいね」

そうだ・・・・・・ 北の涯では
氷原が海に続くという
そこの話なんだ

ウオッカを飲み
リンゴを かじりながら
二人は馬にむちを
あてたという
夕焼けの海に向かって
目隠しをした馬に

何故 マミは何も言わないのだ
遠い 北の涯の話なのだ

マミ もうすっかり夜なのに
君の頬は ほの明るい

瞳に雪が降っている
それさえ 僕には見えるのだ

マミ 君の頬が濡れているのは
雪が溶けただけではないね

さあ 僕にしっかり掴まって
倒れぬように歩くのだ

あれは 遠い国の話
  

Posted by 松田まゆみ at 14:15Comments(0)

2009年11月28日

無題


貧乏にも厭(あ)きがきた
今にみてろと思いながら
もう 若くない肉体が
いじらしくも 毎日を働いている
何のためだか 知らないけれど
冗談等を言いながら
時には 嘘を言ってみたり
時には 真実を投げ出して
とにも かくにも 生きている
どうせ 生きねばならない世の中
今夜も十七円の湯に入り
高級車を運転して
国道をブッ飛ばす夢でもみよう
  

Posted by 松田まゆみ at 14:12Comments(0)