山の挽歌-松田白作品集- › 詩 › 九十九里浜
2009年12月18日
九十九里浜
九十九里の海は ゴウゴウと鳴り
風がビュービュー吹いている
九十九里の砂丘は
うずくまる 二人を乗せ
真暗な空間は 自転している
貴女は何も言わないが
私はやたらに話題を
探しては しゃべる
九十九里の海は ゴウゴウと鳴り
海は牙をむく 野獣のようだ
星一つ 雲一つ見えないが
私の心は ほのぼのと温かい
未来に 微かな期待と
不安の おののきを感じながら
ゆるゆると しかも一瞬も
止まることのない時刻(とき)
二人だけしか 知らない
時間を乗せて
九十九里の砂丘は
太陽の裏側を
悠々と自転している
Posted by 松田まゆみ at 14:31│Comments(0)
│詩